「あ、おい、待てよ」 慌てて穂高はその後を追う。 だが、横に並んだまでは良かったが、澱んだ空気が伝わったようで、様子を窺うように穂高が口を開いた。 「何だよ、嫌に今日は機嫌が悪そうだな」 「別に……」 明らかに不機嫌さが伝わる声色だ。