「なんだい、その態度は、高志! 朝ご飯を抜くと一日持たないよ」 説教じみた智子の声に返事をしないまま、荒々しくドアを開けた高志は、目の前に立つ人影に一瞬、おっと身を引く。 「おっす」 「あ、穂高か」 軽く手を上げる穂高だったが、不貞腐れた表情を引っ下げた高志は、それすらも無視すると地面をトントンっとつま先で叩いた。 そして、待っていた穂高を横切り、さっさと先に歩きだした。