趣味趣向の違いはスッパリと斬り捨てて、お互いを認め合っている間柄なんだと解る。

「今回はひと筋縄じゃいかないようだ」

「向こうもかなり苛立っているのだろう」

 2人は互いに見合い、数秒ほど沈黙した。

「少し間を置くか」

「うむ」

「え? なんで?」

「奴らの動きが気にかかるんでな。データ収集に時間を使う」と泉。

「周辺の配線も調べてもらいたい」

 立ち上がった泉に発すると、了解した事を手を挙げて示しドアに向かった。

 ドアの閉まる音を確認しベリルも立ち上がる。