ヘッドセットから響く悲痛な叫び声を聞きながら、ベリルは攻撃を仕掛けてくる警備を倒していく。

 すると、さすがに警戒を強めたのか廊下の角でこちらを窺ってなかなか攻めて来なくなった。

 進まなければならない以上、ここで足止めされるのは避けたい。

 ベルトの後ろに装備していた、手のひらに収まる丸い物体を取り出して金属のピンを抜いた。

 それを廊下の向こうに投げる。

「!?」

「なっ!?」

 転がってきた物に思わず顔を引きつらせた。

 爆発系の手榴弾かと思いきや、ウニのようにトゲを突き出し、そのまま数秒ほど沈黙する。