そんなループが3日ほど続いた午前9時──いよいよ大賀邸に仕掛ける準備を始めた2人を、青年はじっと見つめた。

「市街地だから仕方ねぇが、どうも心許ないな」

 泉は、自分の服装に溜息を吐いて肩をすくめる。

 2人の服装は今までのものと大して変わらない気がするが、1つだけ明らかに違いがあった。

 右太ももに大きめのポーチが提(さ)げられている。

 しかもそれはしっかりと固定するように腰だけでなく、もう1つベルトが回されていた。

 中身は知ってる……消音器(サイレンサー)のついた拳銃だ。

 それくらいなら、テレビで見た事があるからすぐに解った。