【栞side】 「ホテル?」 「うん」 バレンタインディナーをご馳走する、と連れてこられたのは、超高級ホテルだった。 「えっ、でも、制服だよ?」 「大丈夫」 こういうとこのレストランって、それ相応の格好してないと、入れないんじゃないの? 追い出されるんじゃないかとヒヤヒヤしながら、大輔くんについて行くと。 エレベーターに乗り込んだ大輔くんは、41階のボタンを押した。 41階? エレベーター内の案内板によれば、41階にレストランはないんだけど。