ここの院長でしょうにあなた、今すぐ行くて。
「もともと藤峰家の…ていうか真裕ちゃんの主治医としてパリでやってたからね。ここは副院長にあげよっと」
「あげる!?Σ預けるとかじゃなくあげる!?Σ」
思い切ったことするなこの人!
「小児科もやるから、生まれた子もずっと診ていくことができる。あげちゃっていいよもう」
「いいんだって…かっくん…」
「なんでお前の周りってこうなんだよ…」
「なに言ってんの…一番近いの、あなたですよ…」
「……嫌だなそれ」
「どういう意味だよ」
あ、そうだ…。
じゃあ父様に言っとかなきゃなんないわね。
今のうちの当主は、あんなでも父様だもの。
当主の許可がないと正式に人を雇うことはできない。
「えーとじゃあ…どうしましょう」
「今週中に発つよ。…あ、今何ヶ月?」
「えーっとー…四ヶ月」
「つわりは?」
「まだちょっと…」
「最後に検診したのいつ?」
「んっと三日前くらい?」
「そっか。分かった」
…おお! 分かったんだって!
なにが分かったんだろ!