こ、ここは藤峰というべきだろうか。
いやいやしかし!
ここでばれては元も子もない。
んでは真裕ですというか?
…いやいや、下の名前でもばれる可能性だってあるわ。
そうよ! そんな時こそこの名前よ!
「武藤真緒です」
「武藤様…。少々お待ちください」
気付いてねみわ先生…!
ぱんぱん両手を叩いてどっかに祈った。
その甲斐あってか数分後。
「こちらへどうぞ」
別室に通された!
やったぁ通じた❤
「真裕ちゃんかい!? やあ、よかった! 本当に元気で…!」
「先生~!」
そこに待っていたみわ先生。
涙目で私を抱きしめてくれた。
「…ん? 君、楓くん! 無事だったのか!」
「おかげさまで…」
「そうか! そうかそうか…よかった…!」
「あうっ…あうっ…いだい…」
「ち、ちょっと…」
「うん? うん? どうかした?」
背中、叩かないでください…。