「お車の用意が出来ました」
「なるたけ揺れないようにしてね」
「承知しております」
まあ、野木さん運転上手だし…大丈夫だと思うけどね。
「みわ先生のとこへお願いね」
「はい」
かっくんと一緒に、車の中に乗り込んだ。
「ああ…そういえば仕事中かもしれないよねー」
「……先に気付けよ」
「どうしようか。…んまあそこそんなに繁盛してないし、大丈夫かな!」
「何気に失礼だなお前」
いやあそんなことないわよ。
病院が繁盛しないのは、いいことだわ。
「つーか帽子かなんかくらい、被っとけば?」
「かっくんこそ」
「俺はこれでいい」
「ええー、じゃあまおも髪くくるね。そんでマスクつけて行こう」
病院だし、マスクのが自然じゃない?
「かっくん、サングラスとあとマフラーで顔隠せば? ほら、なんか光ってるからさーかっくんて。すぐ分かっちゃうよ」
「それ明らかに怪しいヤツだろ」
そおかしら。
サングラスだとか、帽子だとか、色々当てて合わせてみながら、どんな変装をするかを考えた。
着くまでの間だ…!
さあ、頑張れあたし…!