「そう…残念ねぇ…」
しゅるんと優しいママに戻ったかと思うと、眉を下げて悲しそうな表情。
「あたしはしばらく来れなくなると思うけど、赤ちゃん産まれたらすぐに来るね!」
「あら、私達が行くわ❤」
…かと思えばパッと笑顔!!
この無愛想のお母さんとは思えないほどの表情の動き!
「うるせぇな」
「さあ行くわよあなた❤」
「……」
「まおちゃん元気な赤ちゃん産んでね。あ、でもこんなのに似たのはダメよ」
「はいっ分かってますわよ❤」
「あのな…」
ちゃかちゃかと荷物を手にすると、あたし達は早々に星野家を去った。
「じゃあね~! 絶対行くからね!」
「はーい!」
「かえくん、もう誰にも心配かけないでね」
「分かってるよ」
大きく手を振ってから、野木さんの待つ場所へと向かった。
「…で、お前また歩くのか?」
「だって……しょうがないじゃない」
「頼むから無理はすんなよ」
「分かってますって」
だからほら、慎重に歩いてるじゃない。
かっくんに掴まってさ。