ま……ママが怖い…!!


「学校…やめたの?」


ゆっくりと喋るママの目は、キランと光っていて。

今にも牙が見えてきそうだ。


「いや……まあ…」


「どっちなの!」


「や、やめた…かも…」


すご…! あのかっくんが本気でビビってる!

そしてものすごくたじろいでる!


「アンタ!」


―びくうっ


「宝院よ? 宝院を出ることがどういうことか分かってんの!?」


「そ…そりゃまあ…」


「じゃなに考えてんのこのバカ息子!! アンタねぇ、これから妻と子供を支えていきましょうかってときにバカじゃないのこのバカ!」


ば、ばか連呼…。

めっちゃ連呼…。


「いや、何も音楽で食っていく気は…」


「なに言ってんのこのバカ! アンタに顔と音楽とカリスマ性以外の何の取り柄があるっていうのよバカ!」


またバカ連呼…!

てか顔と音楽とカリスマ性があれば十分だと思うんですけど…!?


「どういうつもりなのかちゃんとまおちゃんに説明しなさいバカ! てかもう土下座しなさい!」


「ま、ママ落ち着いて」


ぷるぷる震えてるよ、拳がさ…!