頭が混乱しそうだった。

この二ヶ月……そんな状態ばかりだ。


いきなり目の前で、まおちゃん達のいる空港が爆発して。

瀕死の重傷の彼女を目の当たりにして。

楓は行方不明とされ。

かと思えば、ほどなくして死亡を聞かされて。

なにやら腑に落ちないことだらけで。

そして生きているかと思えば、また死ぬかもしれないって?


何なんだよ一体…。


ため息をつかずにはいられなかった。


「君達も……君達も。色々本当に迷惑をかけてすまない。心配させてばかりだな」


「パパが謝ること…」


「娘夫婦のことだからね」


花梨の困ったような表情に、そう肩をすくめてみせるまおちゃんパパ。

この人も強いなと思った。


「ところで…楓くんのご両親は? 私は連絡先を知らないから、これを知らせようがないのだが…」


「あっ…! どうしよう、言い忘れちゃった! 一番大事な人たちに…」


「大丈夫だ。僕が知らせておいたよ」


「いつの間に!? …お前さすがやなぁ…」


「ふんっ。この僕に抜け目はないよ。いつでも抜けさくな君と違ってね」


「そおかっ。そらよかった……だからどういう意味やねんΣ」


当たり前だろうが。

ご両親だぞ? 誰より知らせるべきだ。直にこちらに向かうだろうね。


「……どうでもいいが、お前さん達相変わらずだな…」


「どうでもいいといえば、あんた誰?」