――蓮二サイド――


「え……」

「なっ…」


…イギリスに到着してすぐ。

僕らは直接この病院へ向かった。

場所はメイリーから聞いていたので来ることができたけれど、尾けている人がいないかだいぶと気を遣ったよ…。


そしてその十数分後には、僕達は信じがたい一言を聞かされていた。


「昏睡状態……二ヶ月も…?」


極めて危険な状態での二ヶ月。

今まで持っているのが奇跡なくらい…と。


「……」

「……」


言葉を失う花梨と修平を見つめた。

花梨に至ってはもう泣き出しそうだ。


「いつ、何が起こるか分からないそうだ。目を覚ます確率は極めてゼロに近い」


「あ…の……それって、まおは…?」


「知っている」


「!」


知っている…!

そんな過酷な現状を…?


「我々もついさっき知ったのだ。…何と言っていいものか……。彼が生きていることを何より強く望んだのに。…こんな結果とは…」


僕達は姿を見ていない。

昏睡状態であろうがなかろうが、楓を見ていないんだ。

生きているという事実さえまともに信じられないのに、そのうえいつどうなるか分からないって?