現れるなりぎゃーすかぎゃーすかと煩いのは、言うまでもなく花梨、修平、蓮二の三人。

あんまりにいつも通りのテンションに、思わず肩の力が抜けた。


『カリーンッ』


「きゃーメイリー!」


嬉しそうに駆け寄ったメイリーに気付き、花梨は持っていた荷物という荷物をすべて修平と蓮二に押し付け、二人はひしと抱き合った。


『なによー、今日着くならそう言ってくれればよかったのに!』


『ごめんごめん、忘れてたのよ。なんせ空港出た直後だったから、急いでてね』


英語での会話ならできるようになった花梨は、メイリーとそう会話をした。

どうもメイリーは知っていたらしいな。こいつらが来ることを。


『メイリー、もしかしてさっき言ってたのって…』


『そおよ。カリン達が来るっていうから、マヒロに知らせようと思ったの』


ハディの問いにけろっと答えるメイリー。

一気に場の空気は明るく和んだが、蓮二の一言でことどとく元通りに戻った。


「楓は?」


『……』

『……』

『……』



…今あえて言葉を付けるとするならば。

しーん…とかいう、あの言葉がぴったりなんじゃなかろうか。


『あー……その部屋に…』


アッシュがとても気まずそうに言い、病室を指差した。

その様子でなにか感じ取ったのか、蓮二は再び口を開いた……が、言葉が紡がれることはなかった。


―カラッ…


「……りんりん?」