「恋なんて……しないよ、私は。」


「……いっつもそれだね!!」



実里が穏やか、でもその裏に何か隠しているような笑みを向ける。


悪魔の微笑み。



例えるならそんな感じだった。



「どうして恋しないの?」



「しなくても生きていけるから。」


「確かに……。」


確かにって言っちゃってるし。



「でも高校生になったんだから、絶対好きな子作りなさいよ!……っていうか彼氏も!!」



「……はいはい。」


「なんか適当なんだけど、返事。」




「………さーせん。」