急に黙り込んだあたしを瑛太が不思議に思う前に、慌てて「瑛太って背大きいから、いないと逆に目立つじゃん」と応えた。


成程、と瑛太は納得して、今度は鞄からパンを二つ取り出してあたしに一つを手渡した。


あたしも素直にお礼を言って受け取っておく。


渡されたのはダブルメロンで、瑛太はと言うと、いちごサンドを嬉しそうに開封していて、相変わらず甘いものが好きなんだなと思った。




猫背だから普段はあまり感じないけれど、瑛太は身長がある。
細身の割に意外と引き締まってるし、顔立ちも整っているから、結構格好良いんだと思う。


猫っ毛の黒髪。
笑うとくしゃっとなるとこ。
あたしに向けられる綺麗な瞳。
あたしの頭を撫でるあったかい掌。
あたしの名前を呼ぶ優しい声。


瑛太を型どる全てが、愛しくてたまらない。