「うわ―久しぶりだな」
と、はしゃぐ瑛太は普段と何ら変わりなくて、明日卒業式を迎える人には到底見えない。
だいたい他の子たちは感傷に浸ってたり、友だちとの別れを惜しんでたりするのに。
いつもと変わらない瑛太に、思わず笑みが溢れた。
それをめざとく見つけた瑛太によって「何ニヤケてんだよ―」と指摘されるが、余計に笑えてしょうがない。
「ニヤケてないって」
「嘘つけ」
「嘘じゃないもん」
「そう言いながらめっちゃニヤケてんじゃん」
「これはニヤケてるんじゃないもん。笑ってるんだもん」
「同じじゃん!」
やっぱり瑛太と居ると、すごく楽しい。
久しぶりに会ったのに、その時間を感じさせないくらい、すぐにあの日々に連れ戻してくれる。