呪いに使われる彼女も、 元は悲恋を嘆く、健気な少女だったらしい。 呪いの術は、とても悲しい物だった。 それならば今からでも、 幸せにしてやる方法はないだろうか。 彼女の焦がれた相手はすでに居ないけれど、恋は一度とは限らないはずだ。 それに。 僕だけを見つめる彼女は、とても美しい。 小さく動く少女の口を読みながら、僕は静かに笑っていた。 彼女の呪いが、ここで終わればいい。 そう願いながら。