昼休み、美佳は慎吾に呼ばれ、教室に残っていた。

クラスメイトたちは校庭、図書室、コンピュータルームなど思い思いの場所で休憩している。
教室に残る生徒はほとんどいない。今日もガランとしている。

高校入試の問題集を解きながら待っていると慎吾がやってきた。

黒々とした髪、瞳。

頬のぷっくりした顔に、グラマーな体型。

姿は本当に美佳だ。
中身が慎吾だなんて、少し言われただけでは絶対に信じないだろう。
理解できないだろう。

しかし、いつもの美佳と違うところが一つだけあった。
唯一、髪型だけが違っていた。