呆気なくその約束が崩れたのは少し後のこと。


小学校4年生。
風音の転校が決まった。

俺らが昔から住んでた東京から広島へ。
小学生のガキには遠すぎる。


「風音…。
どこにいっても好きだ。すっげぇ好きだ。

だから俺が18歳になったら迎えに行くから。」


最後はかっこよくありたかった俺は涙を見せずに風音を見つめた。


風音は泣きながら抱きついて

「ずっと好きでいるから
待ってるから

絶対迎えに来てください。」

普段おとなしい風音が取り乱して泣きながら叫んでいた。


これが最後にみた風音の姿だった。
このクローバーの咲いてる土手で。

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