電車の中でそんな話をしていたら
到着駅に着いたみたいで

駅から歩いてすぐのマンションの前で
みゆさんは立ち止まった。

『ここだよ』

3階建てのごく普通のマンションだった。

『さっき言い忘れたけど
僕のことはみゆ、って呼んでね』

『みゆ…くん』

『みゆくんでもいいや。
みーちゃんでも』

階段を上って

208号室。


みゆくんが鍵を開けた。

『どーぞ』