あたしは複雑な気持ちだった。
だって、あのとき不覚にも悠也のこと嫌いじゃないなんて
思っていた。
あたし、本当矛盾してるよ。
ボスっ
「なに・・・」
叩いてきたのは結愛だった。
「よかったね~」
「は!?なにが!?」
「さっき氷野くんに教科書貸してもらってたじゃん!
 らぶらぶだね~」
「知ってたの!?っていうからぶらぶじゃないし!
 付き合ってるわけでもあるまいし!!」
結愛はニヤっと笑った。
「もう付き合っちゃえば?嫌いって訳じゃないんでしょ?」
「あー・・・・うん・・・」
「じゃあ問題ないじゃん!」
「問題ありありですから!!」ベシッ
絶対ない!
悠也とあたしが付き合うなんて!
もし仮にあたしがいいとしても悠也が駄目だし!
好きな子いるみたいだし、悠也の気持ちを尊重しないと!!
キーンコーンカーンコーン
「やっばあい!今日買い物行けって言われてるんだった!
 咲結ごめん!帰ったらメールするから!」
と言ってすぐさま帰っていった。
買い物かぁ。そんなのいっつも母さんがしてるからなあ。
・・・・・って!!
うち帰る人いないじゃん!
どうしよう!一人で帰るのなんか絶対嫌だ!
なんか怖いじゃん?(笑)
「ん・・・」
あれ、まだだれか・・・
「お・・・咲結か・・・」
って悠也じゃん!