今日は悠さん以外は、接客しても、女性の隣に座る事はない。



「あ……」



私は他の席のお客さんを見渡していると、ある所で止まった。

…店員さん…。

誕生日プレゼントを買った時、アドバイスしてくれた店員さんが居たのだ。

テーブルには、私が持つプレゼント用の同じ紙袋。

“片想いしてる人”―…。

あの言葉の人が、悠さんだと気付いた。

私は紙袋を片手に立ち上がり、カウンターに居る翔さんに声を掛けた。



「ちょっと、良いですか…」



「そりゃ、良いけど…」



不思議そうな顔をする翔さんを連れて、私はムシムシとする外にまた出た。