滑り止めの私立校の受験の日、可愛い女の子を見つけた。

おとなしそうな雰囲気で北中の制服を着ていた。

名前も知らない初対面のその女の子から目が離せなくなってしまった。

そんな俺をお構いなしにテスト時間はあっという間に過ぎてゆき、テストが終わるとすぐにその子は帰ってしまった。


また会いたいな。

そう思いつつも俺は受験生。

しかもまだ第一志望の公立高校の受験が残っている。

恋なんかしている暇なんてなかった。

勉強、勉強そう思ってもなぜだかあの女の子の顔を思い出す。

なかなか最後の追い込みができないまま公立高校のテスト当日…


またあの女の子を見つけた。

ひどく顔が赤く、ちょっとフラフラしていた。

大丈夫だろうか?

心配で心配でテストどころではなかった。