着いたのは、想い出の詰まった“海”



真冬の海辺で、子供みたいに遊んだあの日。



大声で笑いあって、追いかけっこ。



結局、服までビッショリになって、



持っていたタオルでイサムの体を拭いてあげたよね。



濡れた髪を拭き終わると、そのまま抱き合った二人。



潮の香りと少ししょっぱいキスをした。



あの時、聞こえていた波の音。



どうしてかな……今日聞こえるのは、まるで違う波の音。