「あのね、郁がかおりんを初めて見たのって

去年の夏まつりなのっ!」


「え、…うそ!?」


「ほんとっ!

キョンと一緒に来てたんだけど、
そしたらかおりんが居て

んーっと、一人…だった?」


「あははは…見られてたんだー…」


一人で夏まつりに居るところ見られたなんて、

めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど。


「それでー、郁、かおりんのことちょー可愛いって思ったの!

そしたらさ、今年おんなじクラスになってて、
ほんっとに嬉しかったんだよーっ!」



顔をくしゃくしゃにして笑う郁は


今までで見た笑顔の中でも


一番可愛いと思った


目を細めて、頬を赤らめて



その時の郁の笑顔を


私は一生忘れないと思った