「そうなんだ……」
「もーっ!
まだわかんないって言ってるじゃんっ
卒業してからかもしれないし、ね?」
「もしかして、それ話すために呼んでくれたの?」
「ううんっ、違う違うっ!
郁なんだかんだ言って
かおりんとあんまり話せてなかったでしょー?
だから、今日たくさん話せたらなーって!」
郁、わかってくれてたのかな
私が郁を知りたいと思ってたこと。
そうだったら嬉しいよ
「じゃあ、座って座って」
そう言って促されたけど、
どこに座ればいいのか戸惑った。
リビングには
大きな丸いラグが敷かれていて、
中心に小さな低いガラスのテーブルが置かれていた。
郁はそのテーブルの前に座ったから
私も近くに座ることにした。