『手だって繋いでたし、あれは絶対に新しい男ね。でも…なんか様子が変だった』



「変?何が変なの?」




『…なんか、男の方が一方的だった感じがしたの。ちかも、その相手ってば絶対どっかの社長さん!』




「社長?」


『見た目がまぢセレブ!でも、彼女のほうも負けてないくらいセレブオーラ出てた。ひょっとして北条さんの元カノって、どっかのお嬢様じゃない?』




そう言われれば、


そんな感じもするような…



『まぁ別にいいけど。元カノに新しい男が出来て夏海もラッキーじゃん?もう北条さんの前に現れることもないでしょ』




それならいいんだけど…




北条さんと茜さんの間には、そう簡単じゃない何かがあったはずなんだよね




まぁ、気にしてたらきりがないかも…




深く考えるのは止めよ




『とにかく、映画楽しんで!あっ…お風呂入んなきゃ!夏海ままた明日ね。ば~い』



「うん。おやすみ」




私もそろそう家に帰んなくちゃ



「杉浦さ~ん!早く帰んないと親が心配しちゃうよ~」



店長室から店長の声が聞こえて、返事をしてから慌てて店を出た。




「今、帰ります。お疲れ様でしたぁ」