「…映画?」


「はい。一緒に行ってはもらえないでしょうか?」




バイトが終わってから、着替え終えた北条さんに勇気を振り絞って話しかけた。




「映画とかあんま見ないんだよね…なんつ―か、眠くなるし」



「…はぁ」




つまり、デートのお誘いは失敗?ってことでしょうか?



でも、ここで諦めちゃ終わり





「ホラー映画ですよ?めちゃくちゃ怖いらしいですから、きっと眠くなんないです」



「…ホラー?」



「ホラーはお好きじゃないですか?」



「いや、好きだけど…いつ?」




ひっ日にちを聞いてきた!


これはチャンス!!




「いつでも私は大丈夫です!北条さんの都合のいい日で」



「じゃあ、来週の日曜は?確か店も休みだったろ」




「いっ行ってくれるんですか!?」



「家にいてもやることないし、映画くらい行ってやる」




「本当ですかっ!?やったぁ!」




私が嬉しがってると、北条さんがあることを口にした。





「でも、何で俺?柴咲と付き合ってんじゃないの?」



「!?」



なっなにを言い出すかと思えば!



そっか、昨日一緒にお店に来たから勘違いされたんだ。




「柴咲くんは大切な友達です!付き合ってなんかいません」




「…ふ~ん」



何かを疑ってるような表情の北条さん