先生は口パクで


”ケイタイ!”


と私に伝える。



教室に入って携帯を開く。


”放課後、調理室に絶対来い!!”


先生からの絵文字もないぶっきらぼうな文。


だけどそのたった1文で
先生が私のことを心配しているのが読みとれる。



さすが先生だね…。



私のことなんでも分かるのかな…?







いつもより長く感じる授業。

なぜだろうか…?


「はぁ~やっと終わった…。」


やっと6限まで終わった。


自分の席を立ち未来の席を見る。



……でもそこに未来の姿はなかった。



そしてゆっくり歩きながら調理室に向かう。



なぜか廊下はすごく静かでこの学校に私しかいないのか、


なんてばからしい錯覚に囚われそうになる。