授業が終わり前の授業の先生に頼まれたプリントを職員室まで届ける。



その帰り道。



教室に戻ろうと校長室の前を通った。


そうすると中から聞き慣れた声が聞こえた。




「あ…先生の声だ。」


私は無意識に立ち止まり校長室の中の会話に耳を澄ます。





『朝倉先生は何を考えていらっしゃるのですか?』


これは多分、頭の薄い教頭先生の声。




『なんのことでしょうか?』


これは先生の声。




『とぼけないで下さい。


ある生徒が訴えてきたんです。




先生が”西城零”と付き合っているとね…』



この言葉を聞いた瞬間廊下を走る生徒の声も聞こえなくなって
教頭先生の声しか耳に入ってこなかった。




『これは事実なんですか?


もし事実なら西城零にも朝倉先生にもなんらかの処分を与えます。』




私にも…先生にも、


なんらかの処分が……??



『それで事実なんですか…?』




追い打ちをかけるように教頭先生は先生に問いかける。