『…………………』




なぜか黙り込んでしまった先生。




「じゃあ、私終わったんで帰りますね」


気まずい空気から逃げようと思い、

仕込みが終わって調理室を出ようとした。


なのに、先生は私の腕を掴み



『悩みがあるならいつでも話聞くから。


独りで抱え込むなよ…』


と、優しい声で言った。



「え…………??」



思わず足を止めて振り返る。



でも先生は私の腕を離し、


『おい!もうこんな時間だぞ?

早く帰りなさ―い』



と、言った。




「じゃね……先生」


私は静かにドアを閉めた





ふと窓に目をやるとすっかり日は暮れて、

また1機、飛行機が飛び立っていくのが見えた。