「ルイ~早くホテルいこ?」
甘ったるい声に吐き気がしてきた。
「あっ、待って。先に門行ってて。」
一言ぐらい沙里菜に言ってから帰ろう。罪償いじゃないけど。
「沙里菜いる?」
目の前にいたのは沙里菜の友達の里奈だった。
「もう帰ったけど・・・てかあんたが帰れないっていったんじゃん。何か用?」
女なのに怒った男より怖い。こいつ沙里菜のことになると目の色が変わるんだよな。とっさに言い訳を考え
「弁当箱返しにさ。きたんだけど」
「うちから渡しとく。・・・さっき沙里菜は職員室でいなかったけど美香が友達にでかい声で『今日、ルイとラブホ行く』っていってた。あれ、嘘よね?」
思わず嘘と言いそうになるのを我慢し本当のこといった。
「あぁ、行くよ。」
「・・・さ、さいってい。あんた沙里菜がどんだけ傷ついてるか知ってんの!?なんで告白したの?」