あの日から6ヶ月。
忘れた事なかった優也。
お礼がしたくていつも電車の
時間をバラバラに乗って
優也を探した。

弟を探してみたけど…
学校の生徒に上木の苗字の
男の子は1人もいなかった。


「はあ…どこにいるんだろ。
優也さん」


「優也?誰それ?」


「え?」


横から声をかけてきたのは
親友の中村可奈だった。


「雪菜~優也さんって誰?」


「前に話したでしょ?電車で
助けてくれた人のこと。その人に
お礼したいんだけど…会えないの」


「雪菜それって優也さんの事…
好きってこと?」


"…好きなのかなんてわからない。
一回しか会ってないし。
けど…会ってちゃんとお礼したい。"


「ねえ…雪菜。優也さんって人の
学校とかは?」


「黒い学ランだったよ。
首のところに2って書いてた。」