「おっさんいい歳して中学生に
手だして欲求不満?きもーっ
まず犯罪だから!…行くぞ。」


痴漢男の胸ぐらを勢いよく離し
睨みつけながら、
震えて動けないあたしの手を引き
到着した駅のホームに出た。


「大丈夫か?ってな訳ないな?」

そう覗き込んで頭をぽんぽんと
優しく撫でてくれた。


「っありが…とうっございましった。」


「学校まで送ってやるよ。」


「だっ大丈夫です!」


「泣いてる子目の前にほっとけるか!
ほらっ行くぞ」


その人は本当に学校まで
見送ってくれて気がついたら
自分は泣き止んで笑っていた。