「…なんでしょうか?」
もちろん毎度のことながら、目の前にいるのは藤田先輩。
どうしてここに藤田先輩がいるんだろうか。
ここって1年が授業してたよね?
ってかもう授業終わったの?
あたしは重い頭を上げ、辺りを見渡す。
気づけば授業は終了していた。
ほとんどが教室に戻ったようで、ボーっといつまでも机に突っ伏しているのはあたしだけだった。
見渡せば右には琴子、左には藤田先輩。
藤田先輩は相変わらずにこにこしながら言う。
「俺、次ここ使うんだー」
「そうなんですか…」
なるほど。
だからここにいるのか。
てっきり会いにきたのかと勘違いしてしまった。