みんな真剣。


あたしの瞳も今までのような瞳じゃないと自分でも思う。


少しキラキラしてる気がする。



「それじゃあ夏沙ちゃんはやる気まんまんみたいだから、教室のシーン行こうか?」



「夏沙の出番?!よっしよっし、いっちょやっちゃるよぉ~♪」



ぐるんぐるん腕を振り回す先輩。


やる気十分みたい。



どんどん進んでいくストーリー。


やはり主役がいれば進んでいけるんだ。



さすがにまだ完璧に台本を覚えていないので台本を見たままの練習。


けど早く台本を丸暗記しなければいけない。



夏沙先輩は本当に同級生のように話しかけてくる。


だからあたしも頑張って同級生を演じてみる。



難しい…先輩と同級生…か。



「ストップ!」


弥生先輩の声であたし達はストップ。



あたしが慣れてきた頃、先輩は演技を指摘するようになった。


何個も何個も注文を出される。