「ちなみにアナタの台詞も台本通りなの気づいてた?」
「え…?」
「これでもかってくらい台本読んでたんでしょ?」
「台本…」
「だから咄嗟にあの言葉が出てきたのよ」
先輩の言うとおりだ。
暗記するために時間があれば台本片手に何度も読み返していた。
足を引っ張ることなんてしたくなかったから、必死になって台本を読んだ。
あたしだけが初めてだからみんなに迷惑をかけないように、と。
それが出た…?
先輩の言葉にあたしは目を丸くする。
そんなつもりはなかった。
ただ咄嗟に自分の気持ちを正直に言っただけ。
それが…
「あたしの言葉が台本通りだったから、自然とリノアの台詞を言っちゃったって感じじゃない?」
「そ…」
そうなのかな…?