ふっと。



先輩の言葉に喜んでいると、不意に手にぬくもりを感じた。



「っ!!」



自分で言ったくせに、ビックリしてつい振り払おうとしてしまった。


けれど優しく握られた手に慣れてくると、やっぱり心地良くなった。



ドキドキと。



夜の暗さと月明かりが重なり合って、余計に胸の高鳴りを加速させる。



「ほら、もう寝な」



今が何時だか分からないが、もう相当経っているだろう。


本当にそろそろ寝ないと明日起きれなくなってしまいそうだ。



寝ようと思う。


けれど先輩は手を離さない。



「………」



このままで…いいのかな…?



離したくない。


できるならこのままがいい。



離す様子がない先輩に、このままでいいのかななんて思ったから、あたしは先輩と手を繋いだまま寝転がった。