な…なんてことを…!!



けれど言い終わってからでは遅い。



何でもないですって叫んで布団に丸まろうかと思ったけれど、なんだかそういう気にならなかったから、あたしは布団の上に座って先輩を見つめたままじっと耐えた。


先輩は寝転がって暫くあたしを見つめたまま。



先輩の表情は見えない。


けれどどこか微笑んでいる気がして、



「先輩…?」



思わず声をかけてしまった。


先輩は小さく笑い声を漏らすと言った。



「香澄ちゃんは強くなったね」



「…?」



「少し気づいていると思うけれど、香澄ちゃんが思っている以上に強くなってるよ」



「そ…そうですか?」



直接そう言われると嬉しくなる。


同時にドキドキして頬が熱くなってきた。