もちろん、みんなの顔は見るまでもない。


やっぱり走るのね…



目的は遊ぶんじゃなくて練習。


力をつけるための合宿。



あたしは気を引き締めた。



「ふじたんせんぱーい!!ランニング終わったら今日は海で遊んでいいですよねぇー?」



太陽は、これでもかっというくらいサンサンと輝いている。


ムシムシと暑い。


蝉ウルサイ。


カキ氷食べたい。



海…いますぐ入りたい。



あたし達は捨てられた子犬のような顔で、藤田先輩をじっと見つめた。


そんな視線に耐えかねた先輩は、小さく息を吐いてそっぽを向く。



「…今日はその予定でーすよ。今寺原と話してたのはそういうこと。そんなみんなして目で訴えないでよ…」



みんな両手を挙げて喜んだ。



やっぱり何歳になっても海で遊ぶのは楽しいものだ。



ランニング頑張ろう。


ご褒美があると、何でも頑張れるもんだ。