「おじゃましまーす」
「おじゃましますっ♪」
ズラズラ進んでいく先輩たちの後にあたしも続いた。
目の前に広がるのは、一面の障子。
いかにも和式です、みたいな家に入ったのは初めてだ。
もちろん、あたし1人目を真ん丸く見開いたわけで。
「ここ右だっけ?」
「ふじたんせんぱーい記憶力ないですねぇ~左ですよ、そこを左でーす」
「…そうだっけ?」
たくさんある部屋の中で、覚えてる夏沙先輩がすごいと思う。
あたしは先輩たちに続く。
開かれた障子の先。
2部屋分の和室だった。
もちろん、ここでも驚くあたし。
おぉーう。
何か本当に修学旅行みたいだよ?!
あたしの目は、異常に輝いていたに違いない。