なんてブツブツ考えていたら、とうとう部室前まで連れて来られてしまった。


中はザワザワと騒がしい。



どこの部活も、この時期になると新入部員を集めないといけないから大変みたいだ。



ただでさえ、この高校の生徒の部活加入率は低い。


みんな部活なんてしないでバイトをしている。



あたしだってもちろんその気だ。


もちろん今だってその気。



バイトして、そしてそこで素敵な人と出会って、カッコいい彼氏を作るんだもん!


なんて開き直ったあたしが咄嗟に考えた未来図。




先輩はあたしのことなどお構いなしに、部室の扉を勢いよく開けた。



バッタンっと大きな音。


同時に、中にいた演劇部員たちが全員あたし達の方を向いた。




「みんなっ!1人ゲッチュー♪」




ピースサインを部室にいたみんなに見せ付けるように突き出しながら、心底嬉しそうにそう言う先輩。



ちょ…っちょっと待って!!


ゲッチューって何?!
つーかあたしゲッチュー?された覚えないんだけどッ!!



「おー、慎也先輩さすが」


「よくやったーっ」