先輩があまりにも正直に自分の気持ちを言うもんだから、思わず不安が口に出た。



「先輩…あたし…すごく不安なんです」



押し込めておくはずだった弱音。



絶対言いたくなかった。



自分の弱いところを晒すのが嫌だった。


自分の弱いところを見せるのが嫌だった。



隠しておきたかった。


あたしに弱いところはないんだ、って。



それなのに。


そのはずなのに。



「帰宅部だったあたしが入部していいのかなとか、人前に出るのが苦手なのに演劇部に入っていいのかなとか…」



うまく言えないけれど不安だという気持ちを先輩に打ち明けてみた。



上手くやっていけるのかな、とか。


人前に出ることができるのかな、とか。


先輩たちと上手くやっていけるかな、とか。



すごく不安。
すごく心配。