「あたしにも…できるでしょうか?」
先輩みたいになれますか?
努力すれば…なれますか?
「あの叫び声は凄いと思ったよ」
そう言って、先輩は笑った。
あたしの顔はみるみる赤くなっていく。
やっぱりあのときみんないたんだ!!
頭を抱えて、穴に隠れたくなった。
恥ずかしい…先輩たちの前で…あんな…大声で…
圧し掛かる後悔。
後先を考えなかった、自分はやはりバカ。
「案外できるもんだよ」
そう、笑顔で言う先輩。
目が輝いて見えた。
自身で満ち溢れたような、そんな表情。
「…そうなんですか?」
「なんでそんな泣きそうな顔してんだよ」
そう言って、頭を撫でられた。
人の手は、とても温かいと思った。