トントンと。
2つの足音が廊下に響く。
よっし。
きっと今がチャンス。
小さく息を吸って。
「ゆた先輩、先輩は1年生のとき文化祭の発表に出たんですか?」
思い切って聞いてみることにした。
「あー出たよ。かなり恥ずかしかったなぁ~」
やっぱりみんな最初は恥ずかしいのかな?
あたしだけじゃない?
そう思ったら少しだけ安心した。
「俺さ、中学の時は野球部だったんだよ」
それが何で演劇部に?って感じなんだけど。
そう無邪気に笑う先輩。
そう言う先輩は、やっぱりキラキラしていて。
あたしはそんな先輩を見て、すごいなと思った。