「それより早くお風呂に行こう!」

美里が言った。

美里はお風呂が大好きだ。

かりなは喘息があるせいか

すぐに出たがる。

サウナも1分ともたない。

いつも私と美里が入っている所を

ガラス戸から眺め

「ま~だ~?」と

口を動かしている。

「今日はサウナやめようね。」

かりなが言った。

女風呂に行くまで

結構長い廊下を歩いた。

その廊下の壁にきれいな写真が

飾られていた。

四季折々の風景だった。

「きれいだね~。」

きれいな物に感動する気持ちは

いくら小さくても持っていて欲しい。

そう願っていた私は

幼少の頃から2人をよく

散歩に連れ出していた。