「言わないけど、何があっても言えないけど、


でも、お兄ちゃんを......彼氏だと思ってもいいよね?」


机の前に膝立ちをする華恋。


下からだから、俺を見るとき、必ず上目遣いになる。


華恋にお願いされたことを、普段でさえ


断れないのに、こういう風にして見られたら...


もっと断れなくなる。


そして、断りたくない、拒みたくない、可愛いお願い。


「...そう思ってよ」


笑いたくなる。


兄妹だろ?


兄妹の会話がこんなのって。


腹抱えて笑えるのに、俺は笑えない。


本気で言ってて馬鹿みたい。


「お兄が嫌になるまで言ってあげる」


あげる、っていう上から目線。


でも、"実の"お兄ちゃんを秘密の彼氏だと思ってくれる。


椅子から降り、机の前で華恋と目を合わせた。


合わせたのはいいけど、膝立ちを


長時間しているのは疲れる。