華恋は椅子の上で体育座りして、背中を丸めて自分の膝の上に顎を乗せて俺を見た。


「それはさ、私のお兄として?今みたいなことしてる相手として?」


今迷っていることを聞かれた。


「......どっちかわかんねぇよ」


あってほしいと願うのは、お兄ちゃんとしての好意だけど、事実、お兄ちゃんとしての好意が"混じっている"。


強いのは、男としての華恋への好意。


「だめだよお兄」


「華恋も似たようなもんだろ?」


体を華恋の方に向けてベッドの上であぐらをかく。


華恋の瞬きは、暗い中でもしたことがわかった。


華恋は俺に言葉を返さずに、会話を止めた。


俺も続ける言葉がなくて、お互いに会話を止めてしまった。


時間もこれだし、半端に会話を終えて、華恋も部屋に戻るのかと思った。