いいや。


夢の中ではない。


...俺が目をつぶってる間に華恋がしていたことなんだ。


いつのまに部屋に入ってきたのか...


「おにぃ...」


「『おにぃ』って」


変化している呼び方に、俺も笑い返す。


「...ていうかお前さ、そこで何ちゃっかりしちゃってんの」


ケロッとした顔で俺の足の上に座ってる華恋。


とりあえずはあ足の上にいるこいつをどけようと思って、俺は起き上がった。


「んっ...近い」


華恋との顔の距離が近くなる。


「近いんだからどけよ」


「やだ」


ぷくっと頬を膨らませられる。


母さんの部屋だけ1階にあって、俺と華恋と父さんの部屋は2階にある。